腐った苺

「ちょっと!
みんな酷くない?
中川が愛想ないのも
誰にでも優しくないのも
ちゃんと理由があるんだから!

中川には好きな人がいて
その人の前ではちゃんと笑うし
勉強だって、そこそことかじゃなくて
ちゃんとK高合格したし!
夢があって、すごい努力してて

イケメンなだけ…とか
みんな言ってたけど
ぜんぜんそんなことなくて
いいところいっぱいあるんだから!」



い、言ってしまった



「咲来も中川のこと好きなんでしょ!」

「あやしーよね!」

「席、隣で喋ってたし…」

「別に好きじゃないとか言ってたけど…」

「絶対好きだよね!」

「咲来だって、本当はボタン欲しんじゃない?」

「もらえなくて悔しんでしょ!」

「私たち別にいらなーい」

「そんな欲しくなかったし」



酷い!

中川は山ピーのために
誰にもあげたくないんだよ!



言いたい

言いたすぎる



言ってやる!



ごめん!中川!



「みんな何も知らないで!
中川の好きな人は…
中川の好きな人は…」



バラしていい?

もぉ我慢できない!



「中川が好きな人は、山ピーなんだよ!
中川は、山ピーが好きで
数学の補習わざと受けてたし
数学の授業は真剣に聞いてた
だから中川は…」



「え…山ピー?」

「マジ?」

「山ピーだって…」

「ウソ…ウソでしょ」



どーしよ

言っちゃった



ごめん、中川!



「中川は…中川は…」



「桜井、もぉいいよ」



中川、怒った?

怒るよね

みんなにバラしたんだもん



「中川、ごめんね…
中川が言われ放題で黙ってられなかった」



「オレは別にいいよ
でも桜井、間違ってる」



「え?」



「オレの好きな人、山ピーじゃない」



「え?」



「もともと数学は好きで
だから真剣に聞いてた」



「うん…」



「山ピーは普通に綺麗だけど
別に好きとかそーゆーのじゃない」



「え、そーなの?」



「みんなにボタンあげれないのは
好きな人がいるからなんだけど…
山ピーじゃない」



「え、じゃあ…
誰?
中川の好きな人って…誰なの?」



「オレの好きな人は…」



みんなが中川に注目した



「オレの好きな人は…

桜井なんだ」



「「「「「えーーーーー!!!!!!」」」」」



中学3年生最後の日
教室が割れそうな悲鳴があがった



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