聖騎士さまに、愛のない婚姻を捧げられています!
セヴィリスは胴体と首の離れた魔物の成れの果てを冷たく一瞥すると、つかつかとリリシアの元へ近づく。そして、彼女の肩に触れた。そこにはもう、かつて彼女を苦しめた醜い痕はなかった。
彼は厳しい顔で、ダリウスと頷きあう。そして、ここに魔物が倒れたことを宣言した。
「撤収する。国王陛下へ報告だ」
そして彼は、リリシアの前に恭しく跪いた。
「これで、貴女の魔印は消え、聖騎士の役目は終わった。はじめに話した通り、貴女はもう自由だ。館を出てもいい。グリンデルの地で何をして過ごしても、誰も咎めない」
「セヴィリスさま……」
「けれど、リリシア。改めて、貴女に請う……ここにいて?私のそばにずっと。お願いだ。愛する奥方殿」
リリシアはにっこりと微笑み、頷いた。
「私こそ、おそばにいさせてくださいませ。セヴィリス様。貴方以外の場所など、私にはありませんもの」
リリシアの手の甲にそっと口づけたセヴィリスの瞳は、いつもの真面目で優しい色に戻っていた。