知人の紹介で
 それから三日経った夜に、知らない番号から電話がかかってきた。誰かわからない以上は取るしかないとその電話に出てみれば、そこから聞こえてきたのはあの女の子、山西陽菜の声だった。

『あの、この間はありがとうございました』
『ううん。いいよ。あのあとお母さんには怒られた?』
『怒られました。お父さんにも』
『はは。そうか』
『でも、無事でよかったって泣いてました』

 ああ、あのときあの場所を訪れてよかったと心から思った。詐欺被害にあったことは残念だが、でも、それ以上の被害にあう前に止められて本当によかった。

『うん。そっか』
『本当にありがとうございました。両親も長谷川さんにとても感謝してました。お礼がしたいって言ってるから、たぶん母から連絡が行くと思います』
『そう、わかった』
『あの、それでアルバイトの件なんですけど、両親からも許可もらったので紹介してもらえませんか?』

 アルバイトの件はどちらを選択してくれても構わないと思っていたが、自分の両親の店で働いてくれるなら安心だ。両親には軽く話しておいたが、まだ新しいアルバイトは雇っていないと言っていたし、問題なく紹介できるだろう。

『わかった、いいよ。じゃあ、レストランの連絡先教えるから、そこに連絡してくれる? 事前に俺から紹介はしておくから』
『はい。ありがとうございます。よろしくお願いします』
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