知人の紹介で
 それにしても今日の志信はいつにも増して大人しい。時折遠くを見つめて、箸が止まっている。

「安藤くん、今日は何か考え事ですか?」
「あ、はい。プログラミングの授業の課題について考えてました」
「プログラミングか。情報学科の授業って面白そうですよね」
「はい、面白いですよ。元宮さんも勉強してみます?」
「してみたいです」

 衣月は少し食い気味で答えた。昔から勉強の類が好きなのだ。

「じゃあ、僕がわかる範囲で教えましょうか?」
「え、ありがとうございます。お願いします」

 衣月はまたも食い気味に答えた。専門外の分野へ一人で乗り込むのはハードルが高いが、詳しい人から教われるなら、それほどありがたいことはない。ぐっと効率よく学べるはずだ。

「僕も経済学の授業、少し興味があるんですが、元宮さん教えてくれますか?」

 志信も自分が専攻している分野に興味があるだなんて、なんと喜ばしいことだろうか。教え合える関係なんて最高だ。

「はい。もちろんです。じゃあ、空いているコマがあれば、そこを勉強の時間にしてみますか?」
「そうですね。二人の履修状況照らし合わせてみましょう」

 そうして二人は空き時間に一緒に勉強をする仲になった。どうやら志信も勉強することが好きらしく、いつも積極的に学ぼうとしてくれる。衣月も知らないことを学べるのが楽しくて、二人のこの時間がいつも待ち遠しくてたまらない。勉強会は週に二回の頻度で行っているが、各々週末に予習復習をするくらいに楽しんでいる。
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