知人の紹介で
 この一年間の寂しい時間は何だったのだろうかと思うくらい、あっさりと勉強会の再開が決まってしまった。自分のしたいことを口にするのは昔から苦手なのだが、友達という間柄なら、こうやって素直に口にしてみてもいいのかもしれない。志信が素直に口にしてくれた言葉は全部嬉しいと衣月は思ったのだから、衣月の友達でいてくれる志信も同じように感じてくれるのではないかと思う。そして、それは別れ際の志信が証明してくれた。

「今日はありがとう、元宮さん」
「こちらこそありがとう。すごく楽しかった」
「うん。あの、勉強会以外でもまたこうやって出かけたりしたいんだけど、それもいいかな?」
「うん! 私もまた安藤くんと出かけたい。安藤くんと出かけられるのすごく嬉しい」
「よかった。僕も嬉しいよ。ありがとう、元宮さん。じゃあ、これからもよろしくね」

 衣月はとても、とても満たされた心地で今日の一日を終えた。なんだか明日からの日々も輝いて思える。素敵な友に巡り合えて、自分はとても幸せだなとまで感じていた。
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