知人の紹介で
「元宮さん。調べられた?」
「うん。調べたよ。安藤くんも?」
「うん。じゃあ、僕から話してもいい?」
「いいよ」
「ありがとう。じゃあ、僕から話すね。その……たぶんだけど、結婚とかそういう形式的な話ではなくて、最終的に僕たちが行きつきたいところってのは、おそらくもっと本能的なものだと思うんだ。つまり、性行為にたどり着くと思うんだ」

 志信から明確なそのワードが出れば、衣月は羞恥で顔が熱くなる。それを冷ましたくて、少し俯いて軽く息を吐き出していれば、志信から心配の声がかかった。

「ごめん。こういう話は嫌かな?」
「あ、大丈夫。大丈夫だよ。私もそこにはたどり着いてるから」
「そっか。じゃあ、続けるね。たぶん、二人が近づきたいと思う気持ちから、その行為は切り離せないと思う。ただ、それがゴールとは思えない。たぶん、二人を近づけるための手段だと思う」
「そうだね。それは賛同する」

 衣月もそれが最終地点だとは思っていない。いつか二人に必要なもののうちの一つという認識だ。
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