知人の紹介で
「湊斗、新しい家庭教師の先生いらしたわよ」
「こんにちは。南条純花です」
湊斗の母の言葉に続いて、挨拶をしてみたものの、湊斗は頷いたのか頷いていないのかわからないくらい微かに首を動かしただけだった。
「すみません、愛想のない子で。私がいると話しづらいでしょうから、私は下にいますね。あとでお茶お持ちします」
湊斗の母が部屋を出たところで、純花はもう一度はっきりと挨拶をした。
「湊斗くん。改めまして、南条純花と言います。今日からよろしくお願いします」
やはり湊斗は微かに頷く程度にしか反応してくれない。それでも一応聞いてくれてはいるようだから、純花は話を先に進めることにした。
「じゃあ、まずは湊斗くんのこと教えてもらおうかな。湊斗くんは――」
湊斗の現状の成績や科目の得意不得意、志望大学が本当に合っているかなど、これから湊斗に教えていくにあたり知っておく必要のあることを一通り訊いていった。
もしかしたら何も答えてくれないんじゃないだろうかという不安もあったのだが、口頭で答えなければならない質問には、小さい声ながらも湊斗はちゃんと答えてくれた。
高校生では珍しい気もするが、ただシャイで話すのが苦手なだけなのかもしれない。
「ふふ。同じ大学目指してくれてるの、なんだか嬉しいな。これから一緒に頑張っていこうね」
そうして始まった湊斗の家庭教師だが、湊斗はあまり会話はしてくれないものの、勉強にはいつも真面目に取り組んでくれていた。純花が説明したことはすぐに理解してくれるし、何か問題を出してやればちゃんとそれも解ける。文句も言わずに純花の言うことをよく聞いて頑張ってくれていて、この湊斗という子は無愛想ではあるがとてもかわいい生徒だなと純花は思っていた。
「こんにちは。南条純花です」
湊斗の母の言葉に続いて、挨拶をしてみたものの、湊斗は頷いたのか頷いていないのかわからないくらい微かに首を動かしただけだった。
「すみません、愛想のない子で。私がいると話しづらいでしょうから、私は下にいますね。あとでお茶お持ちします」
湊斗の母が部屋を出たところで、純花はもう一度はっきりと挨拶をした。
「湊斗くん。改めまして、南条純花と言います。今日からよろしくお願いします」
やはり湊斗は微かに頷く程度にしか反応してくれない。それでも一応聞いてくれてはいるようだから、純花は話を先に進めることにした。
「じゃあ、まずは湊斗くんのこと教えてもらおうかな。湊斗くんは――」
湊斗の現状の成績や科目の得意不得意、志望大学が本当に合っているかなど、これから湊斗に教えていくにあたり知っておく必要のあることを一通り訊いていった。
もしかしたら何も答えてくれないんじゃないだろうかという不安もあったのだが、口頭で答えなければならない質問には、小さい声ながらも湊斗はちゃんと答えてくれた。
高校生では珍しい気もするが、ただシャイで話すのが苦手なだけなのかもしれない。
「ふふ。同じ大学目指してくれてるの、なんだか嬉しいな。これから一緒に頑張っていこうね」
そうして始まった湊斗の家庭教師だが、湊斗はあまり会話はしてくれないものの、勉強にはいつも真面目に取り組んでくれていた。純花が説明したことはすぐに理解してくれるし、何か問題を出してやればちゃんとそれも解ける。文句も言わずに純花の言うことをよく聞いて頑張ってくれていて、この湊斗という子は無愛想ではあるがとてもかわいい生徒だなと純花は思っていた。