知人の紹介で
「僕、本当は勉強得意で、試験も本当はもっとできてたんだ。でも、僕の将来を勝手に決めようとする父さんに腹が立って、わざと適当に書いて点数下げてたんだよ」
「え!?」
確かに湊斗は異様に飲み込みが早くて理解力もすごかった。それなのに試験の結果にそれが反映されなくて、純花は頭を悩ませていたのに、彼がそれをわざとやっていただなんて。本当に湊斗の行動が信じられない。
「途中からは勉強も放棄してたし、本当に成績が下がりもしたんだけど、純花さんが来てからは真面目にやってたから、すぐに解けるようになった。でも、成績上がり過ぎたら、もう純花さんが来てくれなくなるかもって思って、今度は純花さんを引き留めるために、わざと手を抜いてた」
「……もうっ! それはだめ! そういうのはよくないよ! 私も真剣に悩んでたのに」
「ごめん……本当にごめんなさい。どうしても純花さんと離れたくなかったんだ」
「はあ……騙された……」
「ごめん。こんな僕は嫌い?」
「……よくないとは思うけど、嫌いじゃないよ。でも、もう嘘はだめだからね?」
「うん。純花さんには絶対嘘つかない。約束する」
まったく純花はとんでもない男に引っかかってしまったようだ。
その後、純花の両親に湊斗を紹介すれば、やはり純花の両親も、生徒に手を出してしまったのかと、その事実を否定的に捉えた。それは当然だろう。
だが、湊斗が真摯な言葉でその想いを告げてくれて、さらには湊斗の母が二人の仲を認めると一筆書いてくれていたから、南条家でも、楠瀬家で出された条件と同じことを約束させられた上で、二人の交際を認めてもらった。
「え!?」
確かに湊斗は異様に飲み込みが早くて理解力もすごかった。それなのに試験の結果にそれが反映されなくて、純花は頭を悩ませていたのに、彼がそれをわざとやっていただなんて。本当に湊斗の行動が信じられない。
「途中からは勉強も放棄してたし、本当に成績が下がりもしたんだけど、純花さんが来てからは真面目にやってたから、すぐに解けるようになった。でも、成績上がり過ぎたら、もう純花さんが来てくれなくなるかもって思って、今度は純花さんを引き留めるために、わざと手を抜いてた」
「……もうっ! それはだめ! そういうのはよくないよ! 私も真剣に悩んでたのに」
「ごめん……本当にごめんなさい。どうしても純花さんと離れたくなかったんだ」
「はあ……騙された……」
「ごめん。こんな僕は嫌い?」
「……よくないとは思うけど、嫌いじゃないよ。でも、もう嘘はだめだからね?」
「うん。純花さんには絶対嘘つかない。約束する」
まったく純花はとんでもない男に引っかかってしまったようだ。
その後、純花の両親に湊斗を紹介すれば、やはり純花の両親も、生徒に手を出してしまったのかと、その事実を否定的に捉えた。それは当然だろう。
だが、湊斗が真摯な言葉でその想いを告げてくれて、さらには湊斗の母が二人の仲を認めると一筆書いてくれていたから、南条家でも、楠瀬家で出された条件と同じことを約束させられた上で、二人の交際を認めてもらった。