知人の紹介で
和巳は千景がもう何も言い返さないとわかるとその場に立ち上がり、もう一人いた人物へと向き直った。
「日向、悪いがそこに車回してきてくれ」
日向はその指示を受けるとすぐにこの場から離れていった。
どうやら和巳はもう千景のことは放っておいて、どこかへ行くつもりらしい。自分も立ち上がって帰らねばと思うが、まだ先ほどの恐怖が抜けていなくてすぐには動けなかった。
そうして千景がまだ動けないでいるうちに、日向が戻ってきた。和巳はその日向と二言三言会話をするとまた千景のそばへ屈みこんだ。
「掴まれ」
和巳は千景に自身の体を差し出してくる。
「え?」
「足痛めてるだろ?」
「え、なんで知って……」
どうして痛めているとわかったのだろうかと思わず疑問の言葉を口にすれば、和巳から小さなため息がこぼれた。
「全部見ていた。盛大にくじいていただろうが」
千景の声を聞いて助けに来てくれたのかと思ったが、どうやら和巳はそれより前に千景に気づいていたらしい。
確かに先ほどの会話を振り返れば、千景が誰かを助けようとした上での行動だと和巳はわかっていたようだった。もしかしたらかなり早い段階で千景たちのことを窺っていたのかもしれない。
ここで和巳の力を借りるのは、和巳に借りばかり作るようで嫌だが、足を痛めているのは事実だし、まだ恐怖で上手く体に力を入れることもできないから、千景は大人しく和巳に掴まらせてもらうことにした。
「日向、悪いがそこに車回してきてくれ」
日向はその指示を受けるとすぐにこの場から離れていった。
どうやら和巳はもう千景のことは放っておいて、どこかへ行くつもりらしい。自分も立ち上がって帰らねばと思うが、まだ先ほどの恐怖が抜けていなくてすぐには動けなかった。
そうして千景がまだ動けないでいるうちに、日向が戻ってきた。和巳はその日向と二言三言会話をするとまた千景のそばへ屈みこんだ。
「掴まれ」
和巳は千景に自身の体を差し出してくる。
「え?」
「足痛めてるだろ?」
「え、なんで知って……」
どうして痛めているとわかったのだろうかと思わず疑問の言葉を口にすれば、和巳から小さなため息がこぼれた。
「全部見ていた。盛大にくじいていただろうが」
千景の声を聞いて助けに来てくれたのかと思ったが、どうやら和巳はそれより前に千景に気づいていたらしい。
確かに先ほどの会話を振り返れば、千景が誰かを助けようとした上での行動だと和巳はわかっていたようだった。もしかしたらかなり早い段階で千景たちのことを窺っていたのかもしれない。
ここで和巳の力を借りるのは、和巳に借りばかり作るようで嫌だが、足を痛めているのは事実だし、まだ恐怖で上手く体に力を入れることもできないから、千景は大人しく和巳に掴まらせてもらうことにした。