授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜



 退勤をしてから小さなスーパーで夜と朝の野菜ジュース用の野菜と牛乳を買うと、寮へと向かった。

 寮のエントランスに入るとエントランスにあるソファに座っている見覚えのある男性がいる。遠目で見ても分かる……侑埜さんだ。

 人の気配に気づいたのか、彼が私を見る。


「……やっと会えた」

「な、なんで」

「なんでって会えないから、俺から会いに来たんだよ」


 会いに来たって……どうして。


「侑埜さん、婚約したって聞きました」

「……え?」

「大企業のご令嬢と婚約って、ニュースで」

「もしかして、それで避けられてたの?」


 侑埜さんに問われて頷けば「あーマジか」と彼は頭を抱えた。


< 77 / 209 >

この作品をシェア

pagetop