両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
 彩菜が俺を好き……?
 信じられずに彼女の顔を見つめる。
「ずっと俺を避けていたのに?」
 彩菜の態度はどう考えても俺に好意を抱いているとは思えなかった。
「それは……。避けていたわけじゃなく、翔真さんが大好きすぎて緊張していたんです」
 彩菜は視線を落とし、顔を真っ赤にしながらそう言う。
「中学生のころに翔真さんを好きだと自覚したんです。でも、大学生になった翔真さんの周りには、綺麗で大人っぽい女の子たちがいっぱいいたじゃないですか。彼女たちに比べると自分がすごく幼く感じて、子どもだと思われたくないって気持ちが強すぎて、翔真さんの前ではパニックになってしまうんです」
 たしかに俺が大学に入ったころから、彩菜から距離を置かれるようになった。顔を見てもすぐ目をそらされ、話しかけても言葉につまる。
 それを避けられていると勘違いしていたけれど、本当は好意の裏返しだったのか。
「でも、あのころよく悠希と一緒にいただろ?」
「それは、悠希に『翔真さんが好きすぎてどうしていいのかわからない』って相談をしていたんです。年上の翔真さんに少しでも近づきたくて、買い物に付き合ってもらって大人っぽい服を選んだり、悠希の女友達にメイクを教えてもらったりしてました」
「じゃあ、悠希に恋愛感情はないのか?」
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