両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
 悠希は感激の声をもらしながら、私が作ったカレーを勢いよく食べる。ひさしぶりのカレーがよっぽどうれしいんだろう。
 辛口のルーを使い隠し味にはちみつとリンゴを入れたので、しっかりとした辛さとほんのり甘みとコクもあるおいしいカレーになった。
 悠希はカレーを食べながら、ビールを喉に流し込む。
 トマトのピクルスやナスの浅漬けなんかの常備菜を小鉢に入れて並べると、悠希はその味が気に入ったらしく「もっとたくさん食べたいから大きい皿で出して」とお願いされた。
 その食べっぷりに感心している私の横で、翔真さんが口を開いた。
「悠希はどれくらい日本にいる予定なんだ?」
 悠希はもぐもぐと口を動かしながら「四泊するつもり」と答える。
「その間、泊まる場所は?」
「あー、ここに泊めてもらおうと思ったんだけど、彩菜に今日の夜は用事があるからだめだって断られた」
 その言葉を聞いて、翔真さんはこちらを見た。
「用事?」
 不思議そうに問われ、「ええと、その」と口ごもる。
「用事というか、約束というか……」
 翔真さんに抱いてもらう約束をしていたから、悠希が泊まるのを断ったと知られたらあきれられるだろうか。
 これじゃあ、翔真さんに抱いてもらいたくて仕方ないみたいだ。
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