魔法の手~上司の彼には大きな秘密がありました!身も心も癒されたい~
本当にこれで良いのか…
いつものスーツを社員用トイレで着替えて個室の中でため息。

ピタッとした薄いパープルのリブワンピはサイドと背中の肌が見えてる。

「大人可愛いをテーマにしました!!」

鈴ちゃんの友人は自信満々にコーディネートしてくれたけど…

「肌、背中見えてるんだけど」

「そこが大人可愛いですよ」

満面の笑みで言われて断れるわけもない。
上着のロングコートで外では分からないけど室内では脱ぐわけで…本当に困った。

「チーフ。まだですかぁ?」

鈴ちゃんの声に仕方なく個室の扉を開いた。

「めちゃくちゃ良いです!!肌白…細ッ」

これって良いの?
人に言われると良い物だと勘違いしてくる。

「きちんとコンタクト持って来ました?」

「持って来たよ」

メガネをコンタクトに変えて化粧もバッチリ。

「さぁ!!いざ出陣です」

鈴ちゃんの面白い出発の掛け声に緊張がほぐれ私達は待ち合わせ場所に急いだ。

背中とサイドの開いた服はイタリア風BALのお店では一切浮く事がない。
始めこそドキドキしたけど一度脱ぐと人の視線なんて気にもならない。

「チーフ誰かめぼしい人居ました?」

トイレで化粧をなおしをしてると少し酔った鈴ちゃんが腕にまとわり付いてくる。

「うーん、居ないかな。鈴ちゃんは?」

職種や年齢、見た目も良いのに心が動かない。

「ふふふ…私は須藤(すどう)さんと連絡先を交換しました」

「鈴ちゃん顔」

悪い顔をする鈴ちゃんの頬を撫でて落ち着かせる。

須藤さんはワイルドな感じのイケメン。
仕事は弁護士って話してたっけ。

「もう落ち着き過ぎですよ〜!もっとパーッとガーッと」

真っ赤なグロスがある意味怖く見える発言をされて苦笑いをした。

(パーッとガーッと、ねぇ)

店内はテーブル席はある物の始めと違って思い思いに動いてる。

ーーブルッーブルッ

(あ、主任から)

帰り際に主任から言われてた案件で連絡があるようになってた事を思い出して店内の端により周りに気を取られながら指をスライドさせた。

「お疲れ様です」

『お疲れ。楽しそうだな』

この声。

「課長がなんでこの番号で掛けてくるんですか」

『そんなの俺の力技』

こっちも鈴ちゃん同様意味が分からない。

『今どこ?』

人の気持ちをぐるぐる掻き回すような行動にイラッとする。

「どこでも良いでしょ。忙しいから」

ブチッと電話を切って少し後悔した。
主任の案件…

「ま、良いか」
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