鏡と夜桜と前世の恋
彼岸花の泉


鈴香が監禁され、おすずの相手をし始めてから何日経ったかなんてわからない…



蓮稀が少しでも逆らおうとすれば直ぐに鈴香の名前を出し " 命はない " と脅される。



鈴香を解放して欲しいと何度土下座しただろうか。おすずの勘に触る発言や気に食わない態度をすればその度、何度も何度も殴られる…



どんな些細なことでも、おすずに逆らうことは許されなかった。



蓮稀がそんな生活を続けていた頃、雪美に宛先不明の1通の文が届いた。








真っ白な着物に袖を通した雪美は届いた文を読み、握りしめて、ある場所へと足を運ぶ。








「相変わらずここは綺麗な場所… 今年ももうこの季節になったのね」



ーー 今は凛とした彼岸花が咲く季節。



雪美は " 彼岸花の泉 " とだけ書かれた文を握りしめ、綺麗に咲き誇る紅い花を眺めながら誰かを待っていた。








この場所は咲夜との縁談が決まってから花が咲いたら毎年二人で見に来る大切な場所は…


季節が来れば彼岸花が満開になる泉。

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