甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

「こいつ、性格最悪だからな。嫁の前の彼氏、ハメて別れさせたんだぜ」

「言い方、気をつけろよ。元々、俺のものを取り返しただけだ。まぁ、向こうが嫁に本気なら手を引いたんだが、浮気しちゃなぁ…ダメだろ。綺麗に退場してもらったさ」

「怖い奴だろ」

「まぁ、参考にならないが、健斗の好きな菜々緒ちゃん、聞いてて思ったが、なんていうか、男が怖いっていうより、お前のこと好きにならないように足掻いてる感じ。ああいう子は、ガンガンいかないと、いつまでも進展しないだろな。自覚させるぐらい攻めないと、逃げられちゃうぞ」

「お前、性格悪いよな…こいつ、今、限界きてるんだぞ。何しでかすかわからないっていうのに、煽んなよ。それに、攻めて逃げられたらどうするだよ」

「お前みたいにか⁈あははは…俺なら、逃げられないように策を立てて、捕まえておくがな」

「うるさい。俺はお前のように腹黒くないんだ。朱音の気持ちを尊重して待ってるんだ。優しいふりして体から攻落したお前と一緒にするなよ」

「やってることは同じじゃないか。要はやり方だよ」

「そうですよね。やり方ですよね」

「ほら、こいつの思考、危ない方向に向かってるぞ」
< 78 / 145 >

この作品をシェア

pagetop