甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
「限界なんだろ。犯罪まがいなことせずに、攻めてごらんよ。抵抗されたら、潔く諦めれ」
そう言って、でてきた料理を運ぶべく店の奥へ移動してしまった。
簡単に言ってくれる。
潔く諦めきれるわけがない。
俺のやり方で攻めて、手に入れて離さない。
その後は、和希さんと仕事の話をしながら時間は過ぎていった。
「ほら、デザート。朱音達、奥にいるから持っててよ」
「あぁ、なら、まとめて先に会計してくれ」
そういうと見越していたらしい新吾さんは、精算シートに金額を記入して出していたので、俺も少しお金を出してから、デザートを持って彼女達の席へ移動した。
そこで、聞こえる会話にショックを受ける。
和希さんが、楽しそうに俺を見つめるのが、腹立たしい。
俺はないだと⁈
この2年、いや、3年だ。拗らせて悩んできたのに。
はぁっ…もう、嫌われてもいい。
その覚悟ができた。
目の前で、なんだかんだと言いながらも、仲のいい、腹立たしいくらいイチャつくカップルが消えて、彼女と2人きり。
隣で、むしゃむしゃと揚げパスタを食べる可愛い唇にむしゃぶりつきたい欲求を、もう、止めることはやめた。
「食べたい」
「揚げパスタは、新さんからのサービスなんで遠慮なく食べてください」