甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

違う、気づけよ。

「食べたいんだ」

「だから、どーぞって言ってます」

「それなら、遠慮なく」

言質はとったと、彼女の唇にキスをした。いや、もう、むしゃぶりつくすように、口内まで味わう。

昼間の可愛いキスなんてものじゃない。舌を絡め舐め上げて、角度を何度も変えて唇を喰んで、逃げないように抱き込んで、口の奥底まで舌を入れ口内を蹂躙する。

はふはふとする息継ぎさえも奪って、意識が飛べと攻め立てていたら、、パコンと大きな衝撃が頭に響いて目が覚える。

「人の店で発情するな。家帰ってからやれ」

新吾さんは怒り凄むが、煽ったのはあんただと、内心毒ついておく。

「会計済みだから、菜々緒ちゃん、このバカ連れ帰ってくれる」

「は、はい」

おどおどとしだす彼女に、凄まないでくれと睨み返したが、顎で出ていけと促されるだけだ。

「新さん、ごちそうさまでした」

俺を置いて、先に帰ろうとする彼女を追いかけた。

「高山チーフ、おやすみなさい」

「おやすみって、帰るのかよ」

「帰ります」

「何言ってんだ?あんなキスしておいて帰るとか」

もう、俺は後戻りできないとこにきてるんだ。

お前がほしい
愛し合いたいんだ…
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