甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
サイコーのシチュエーションに、追い詰めていく。
「やぁぁぁ…なんで」
「イきたいなら、なんていうんだ?」
「…けんと、お願い。一緒にきて」
「いい子だ、菜々緒。一緒にいこうな」
背後から指を絡めて繋いでいた手を解き、2人で一緒に向かう為に腰を掴み直した。
頭の中が茹だったように熱く、おかしくなる感覚にお互いに声を上げる。
「あぁーーー」
「うぉぉぉー」
まさに獣のような鳴き声を出す俺たちだ。
そして彼女が果てて崩れていく体を受け止めて、ベットで一緒に横になる。
体は疲れているのだが、興奮冷めやまない俺は寝つけない。
体からとはいえ彼女を手に入れ、今、こうして腕に抱いている喜びに、目が冴える一方で、寝つけにホテルのビールを開けて飲んでも飲んでも眠くならないのだ。
彼女を抱きしめ直したら、柔らかな体に触れてバカになる。
俺、もうアラサーだぞ。
寝ないとそこいらの獣と同じだ。
寝ている彼女を流石に抱くという鬼畜にはなるまいと、いたずらにも気づかないで眠る彼女の寝息を子守唄にして目を閉じるのだ。
だが、既に獣のように煩悩のまま抱き潰した後で、その後もなんだかんだと抱き潰し、彼女から非難をあびるのだということに、まだ、わかっていなかった。