音楽を捨てた天才少女は光を奏でる
「うん!奏音このチョコ大好き〜!」

幸せそうな私の笑顔で場面が変わる

「お母さんっ!今日もヴァイオリンの先生に褒めてもらったんだ〜」

「奏音危ないッ!」

ドンッ

これがお母さんが私にくれた最後の言葉だったんだ

「あれっ?お母さん…?
どうしたの?なんでこんなに血が出てるの?
あれ?止まらない
変だよ変っ!お母さんどうしちゃったのっ!?」

「大変っ!誰か、誰か救急車を!」

「もう助かる状態じゃないだろ」

「警察のほうがいいんじゃね?」

通行人の話し声が聞こえるけど意味は全くわからなかった

けど嫌な予感だけは一丁前にしてただ泣くことだけしていた

自分の周りに広がっていくお母さんの血を見ながら

また場面が変わった

これはお母さんのお葬式のときだ

まだ小学校中学年くらいで死ぬのがどういうことがあまりわかってなくてでも意味もない涙だけが枯れることなくで続けていて

それはきっとお父さんがもう二度とお母さんと喋ることは出来ないんだ…

そういつもふざけているくせに真面目な顔でいったからだと思う
< 6 / 12 >

この作品をシェア

pagetop