乳房星(たらちねぼし)−1・0

【雲にのりたい・その3】

「ヨシタカさま、なんで泣いているのかな〜」

リチャードさんの問いに対して、ゆかさんはしかめた表情で『わかんない…』と答えた。

この時、リチャードさんのハトコさんのカノジョが言うた。

「分かんない…分かんないわよ!!」
「(ハトコのカノジョ)…」
「うらやましいのよ…アタシと(リチャードさんのハトコ)が教会で結婚式を挙げていた様子を見たから…うらやましいのよ…」

ゆかさんは、怒った声で『違うわよ!!』と言うた。

(ハトコのカノジョ)が『そんなにうらやしいのだったら、好きなカノジョ作ればいいのに…』と言うたので、ゆかさんはものすごく怒った声で言うた。

この時、ミンジュンさんがゆかさんの耳もとで小声で伝えた。

「わかったわ…」

その後、ゆかさんは怒った声で(ハトコのカノジョ)に言うた。

「そないに言うのであれば、後ろを見てや!!」

(ハトコのカノジョ)は、後ろを見なかった。

リチャードさんは、(ハトコのカノジョ)に対して声をかけた。

「(ハトコのカノジョ)さん…後ろを見てください。」

(ハトコのカノジョ)が後ろを向いた時であった。

この時、桜子たち(80億人の極爆乳《おおきすぎるおっぱいの》デリヘル嬢たちと52人の極爆乳《おおきすぎるおっぱいの》ガールフレンドたちとベスとステーシーとジェーンとベラ)とアンナとB班のメンバーたちが特大広間に入った。

(ハトコのカノジョ)はおどろいた表情で『えっ?どういうこと?』とつぶやいた。

ゆりさんは、怒った声で(ハトコのカノジョ)に言うた。

「ヨシタカさまには…大事な家族たちがいるのよ…」
「家族…」
「ヨシタカさまが帰宅した時…家に…家族たちがいなかったのよ!!」

この時であった。

「くすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすん…」

ルナが泣き出した。

「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」

つづいて、シュテフィが泣き出した。

「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」

つづいて、ジェニカが泣き出した。

「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」

つづいて、ベスが泣き出した。

「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」

つづいて、ステーシーが泣き出した。

フランソワさんは、オルド支えのスタッフさんたちと子守女《こもりめ》さんたちに対して特大とばりを作るようにと伝えた。

「とばりのご用意をお願いします。」

このあと、オルド支えのスタッフさんたちと子守女《こもりめ》さんたちは、特大とばりを作り始めた。

マァマは、深眠《ねむり》についている私の両耳につけていたイヤホンをゆっくり外したあとやさしく声をかけた。

「よーくん、桜子さんたちとアンナちゃんが帰ってきたわよ…よーくん…つらかったよね…」

特大とばりが出来上がったあと、桜子たちとアンナがとばりの中に入った。

その後、着ていた衣服とブラジャー・ショーツを脱いで全裸《はだか》になった。

その後、B班のサブメンバーたち全員とルイザさんとシャノンさんとマァマとドナ姐《ねえ》はん以外のB班メインメンバーがとばりに入った。

オルド支えのスタッフさんたちと子守女《こもりめ》さんたちは、入浴の準備を始めた。

マァマは、深眠《ねむり》についている私を大きめのマットの上にゆっくりと寝かせたあと着ていた衣服とブリーフを脱がして全裸《はだか》にした。

「よーくん、身体《からだ》をきれいにしておこうね…」

(ウイーン…)

このあと、深眠の私は入浴介助の機械に取り付けているイスに乗せられた状態で浴槽に入った。

その後、陽子さんと美澄さんが浴槽に入っている私の介助に取り組んだ。

この時、とばりの中にいたエリザさんとフローレンスさんが大きめのかごに入っている衣服と下着類を持って出た。

その後、オルド支えのスタッフさんたちが下着類をビニール袋に詰める作業に入った。

子守女《こもりめ》さんたちは、衣服類を一つずつ調べながら別の洗濯かごに詰め込む作業に取り組んだ。

浴槽に入っている私の閉じた目から大量の涙がたくさんあふれていた。

ドナ姐《ねえ》はんは、しかめた表情でリチャードさんのハトコさんとカノジョに言うた。

「イワマツの家の男の子は…よーくんひとりしかいないのよ…よーくんが生まれた時の家族は…ママひとりだけだった…よーくんにはパパがいないのよ…きょうだいもいないのよ…身内も…いないのよ…あなたたちは生まれた時から親きょうだいたちがいた…だけどよーくんは…家族はママしかいなかった…たったひとりの家族であったママは亡くなったのよ…よーくんの家族は桜子さんたちとアンナちゃんだけよ!!…ひとの話を聞いてるの!?」

ドナ姐《ねえ》はんに怒鳴られた(ハトコのカノジョ)はぐすんぐすんと泣き出した。

マァマは、泣きそうな表情で言うた。

「よーくんは…赤ちゃんをこの家で迎えたい…で頭がいっぱいになっているのよ…アンナちゃんは赤ちゃん産みたいと言うてるのよ…」

それから数分後であった。

深眠の私は、浴槽から引き上げられたあと大きめのマットに寝かされた。

マァマは、深眠の私の身体を白いバスタオルでふき取った。

その後、深眠の私はマァマと一緒に特大とばりに入った。

「よーくん…とばりに入ったわよ…」

つづいて、A班のリーダー5人とミンジュンさんが特大とばりに入った。

(ピュー…)

その後、ゆかさんがとばりの入り口のファスナーを閉じた。

その後、子守女《こもりめ》さんたち100人がとばりのまわりを囲んだ。

ドナ姐《ねえ》はんは、怒った声で(ハトコ)さんと(カノジョ)に言うた。

「ここから先は聖域よ!!」
「聖域〜」
「オルドは神聖な場所よ!!」
「神聖な場所〜」

ドナ姐《ねえ》はんは、怒った声で言うた。

「よーくんを…桜子さんたちとアンナちゃんのもとへ帰します。」

リチャードさんのハトコさんとカノジョは、悲しげな表情を浮かべた。

とばりの中にて…

桜子たちとアンナは、くすんくすんと泣いていた。

エリザさんとフローレンスさんとエマさんは、深眠の私をゆっくりと抱きかかえたあとアンナのひざの上にゆっくりとのせた。

マァマは、深眠の私にやさしく声をかけた。

「よーくん…アンナちゃんのひざの上に着いたわよ…ゆっくり眠ってね…」

このあと、マァマは私がエクスペリアのウォークマンで聴いていた『雲にのりたい』をやさしく歌った。

「くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすんくすん…」

この時、桜子たちとアンナがくすんくすんと泣き出した。

深眠の私は、悲しかった時分を思いながら眠っていた。

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