宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


* * *


 兎にも角にも夫婦の危機は回避された。
 迷惑をかけたと謝罪され、改めて最後までよろしくお願いしますと言ってくれた。


「担当が白金さんで本当によかったです!」


 そう言っていただけた時は思わず涙ぐんでしまった。
 仲睦まじく寄り添うお二人を見送りながら、一層引き締まる思いを感じた。


「宝さん、ありがとうございました」


 宝さんにも深々と頭を下げてお礼を言う。


「お二人の仲が元通りになってよかったです」

「隼人さんがわざわざうちの店に来て謝りに来たから、これはちょうどいいと思ってな。その後に君のところへも行くと言っていたから、さりげなく沙耶香さんに連絡した」

「流石ですね」

「結瑠が頑張っていたからだよ」

「え?」

「結瑠が毎日頑張っているのを知ってたから、結婚式を辞めるのはもったいないと思った。ティアラも他のアクセサリーも結瑠がいなければ作れなかったよ、ありがとう」

「……!」


 宝さんはいつでも真っ直ぐに私の目を見てくれる。
 あまりにも真っ直ぐすぎて逸らしたくなる時もあるけど、この時は宝さんから視線が逸らさなかった。

 震える程の嬉しさが込み上げて、涙としてこぼれそうになる。


「!? 結瑠……!?」


 いや、堪えきれずに涙が溢れ出ていた。


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