宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


 せっかく定時で上がれたのに、家に帰るのが気まずいなんて……。

 はあ、と溜息をつきながらホテルを出たところで、電話が鳴った。
 優璃からのビデオ通話だった。


『もしもし!結瑠ちゃん?』


 久々に優璃の顔を見た。


『今大丈夫だった?』

「今会社出たところ」

『あーそっかごめん!かけ直す?』

「少しなら大丈夫」

『ごめんね!今ね、マリーナベイにいるんだ!』


 そう言って優璃はカメラを回して風景を見せてくれた。
 シンガポールで有名な世界一高いインフィニティプールがある、マリーナベイサンズ。
 夜景も相まってカメラ越しでも最高の絶景なのがわかる。

 碧が私に向かって手を振っていた。


『おーい結瑠〜!元気か?』

「ふふ、楽しそうね」

『すっごく楽しいよ!次は結瑠ちゃんも行こうね!』

「えー三人で行くの?私邪魔じゃない」

『この場合の邪魔は碧くんだよ』

『俺かよ!』

「あははっ!もう、優璃ってば」

『お仕事終わりにごめんね、結瑠ちゃん。またね!』

『結瑠、お疲れ』

「うん、またね。楽しんで」


 二人とのビデオ通話を終え、なんだかとてもほっこりした気持ちになった。

――あれ、今全く傷ついてない……。

 穏やかな気持ちで通話を終えられたことに自分自身驚いていた。

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