宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


「はい」

「ありがとう」

「ふふ、懐かしいなぁ」

「何が?」

「私は子どもの頃から妹と何でも半分こしてたんです」


 双子だからなのか、私と優璃は好きなものがよく似ていた。でも取り合いになることはなく、いつも二人で半分こしていた。
 これは物心ついた頃から母に教えられていたからだ。


「二人で分け合って食べたら二倍美味しいよ、って。母なりの喧嘩をしないための教え方だったと思いますが、それが癖付いちゃったのか妹は今でも私と半分こしたがるんですよ」


 お土産のお菓子を買ってきても、いつも全種類私と半分こしたがる。一人一個ずつでいいじゃない、と言ったことがあるけど「結瑠ちゃんと食べるのなら半分こがいい」と未だに子どもみたいなことを言う。


「そういうところがかわいいんですけどね」

「妹さんとは本当に仲が良いんだな」

「生まれた時から一緒ですからね」


 優璃とは好きになるものがほとんど同じだった。好きな人も同じだった。
 でも、好きな人は半分こできない。二人で分け合うことはできないのだ。


「結瑠、食べ終わったら少し歩かないか」

「え?」

「荷物は車の中に置いて軽く運動しよう」


 確かに食後の運動に良いかもしれない。
 何よりせっかくここまで来たんだし、散歩を楽しむのかもありだと思った。


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