宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
宝さんは首を横に振った。
「いえ、あなたが選んでくれたからこそ大切にされているんです。ねぇ、沙耶香さん?」
その言葉にえっ、となった。
するとドアが開き、目を真っ赤にした沙耶香様が顔を出す。
「さ、沙耶香さん!?」
隼人様は驚いて立ち上がった。沙耶香様は唇を震わせ、泣きそうになりながら叫ぶ。
「隼人さんのばかっ!!」
「沙耶香さん、僕……」
「私は隼人さんがいいのに!!隼人さんだから好きになったのよ!!」
堪えられず、ボロボロと泣きながらそれでも沙耶香様は訴え続けた。
「いつも真面目に仕事をこなしていて、さりげなく気遣いのできる優しいあなたが好きなの!この指輪だって、あなたが選んでくれたから嬉しくて……っ」
「沙耶香さん……!」
「そうだ、お二人に見ていただきたいものがありました」
そう言うと宝さんは一枚のラフ画を見せた。
覗き込んで私も見せてもらったが、それはウェディングドレス用のティアラだった。
「なかなか納得のいくものが思いつかなかったのですが、こんなのはいかがでしょう?」
宝さんはウェディングドレス用のティアラだけ、なかなか良いアイデアが浮かばないと言っていた。
よっぽど時間をかけて練り上げたデザインなのだろう。ラフ画なのに宝石の輝きが目に見えるようだった。
全体的に丸みを帯びたデザインで、ゴールドであしらわれる。中央にはダイヤモンドで作られるという二匹の猫が寄り添ってお座りしている。
尻尾が二匹でハート形を作っており、とても可愛らしい。