私が一番近かったのに…
旅行の時に、何かお返しでもしようかな?
明日はさすがにクリスマス当日だから、彼女と過ごすだろうし。
クリスマスが終われば、すぐに旅行がやってくる。
それならばいっそのこと、旅先で何かいいものを見つけた方がいいのかもしれない。

「お返しなんて期待してないから、安心しろ。
でも、そうだな。せっかくだから頂くか」

高いものを要求されたらどうしよう?
なんてビクビクしていたら、突然、愁に抱きしめられた。あの日と同じように力強く…。

「幸奈が欲しい。明日は夕方まで空いてるから、それまで幸奈を抱かせて…?」

旅行まで我慢するって宣言したくせに。
その言葉通り、今日まで愁は私に手を出してくることはなかった。
あの頃みたいに、優しく大事にされているように感じた。
相当、我慢していたんだと思う。我慢をすることは、なかなか辛いことだ。
特に性欲は人間の三大欲求でもある。我慢できるどうこうの問題ではない。
それでも耐えて我慢していた愁は、やっぱり凄いなと思った。
我慢していた分、今、爆発したのかもしれない。クリスマスという特別な時間が、愁のやる気スイッチを押したのであろう。
ここまでずっと我慢してくれたご褒美をあげたい。
ならば、私ももう我慢なんてできない。一晩中、ずっとあなたと繋がっていたいと思った。

「いいの?ここで私をたくさん抱いても。旅行もあるんだよ?」

ここで素直になれないのが私の意地っ張りなところだ。
でも確かめたかった。たくさん抱いても、まだ私を抱くことができるかどうか…。

「幸奈を抱けば抱くほど、俺はもっとお前のことが欲しくなる。
だから、旅行の時は、今日よりももっと幸奈を抱きたい」

どうしてあなたは、私がいつも欲しいと思う言葉を、こんなにも与えてくれるのだろうか。
本当はあなたも、私のことを好きなのではないかと、錯覚してしまいそうになる。
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