私が一番近かったのに…
「さすがにもう、私の中身を知って、幻滅した人もいるかもしれませんよ?」

「そんなに自分を卑下しなくてもいいだろ。まだいるかもしれねーぞ?先に言っておくが、俺と中山だけはお前のことは好きじゃないから安心しろ」

中山くんとは同じシフトになることが多かったが、最近は同じシフトになることがなかったため、話す機会が減った。
愁は変わらずに仲良くしているため、たまにプライベートで遊んでいるみたいだが。
私と顔を合わせるのが気まずいため、もしかしたら、中山くんがあまりシフトを被らないようにしてくれているのかもしれない。

「分かってますよ。言われなくてもそうだろうなぁ…って思ってましたから」

中山くんはさておき、副店長はそんな気がしていた。
この話しぶりからして、可愛い妹ぐらいにしか思っていないであろうと。

「俺からすれば、大平はガキだな。可愛いの意味合いが違う」

私からしても、副店長はカッコいいの意味合いが違う。
大人の男性として、カッコいいなと思うくらいだ。

「奇遇ですね。私も副店長のことはカッコいいと思いますけど、意味合いが違いますね」

「そうかい。そう思ってくれてるのは有難いけどな」

とても嬉しそうな顔ではない。まるで、カッコいいという言葉を言われること自体が嫌そうな顔である。

「いえ。どういたしまして…」

なんとなく気まずい。会話が上手く続かない。続ける必要もないか。勤務中だし。

「俺さ、可愛い彼女がいるんだ。すげー可愛いんだぜ」

まだ話が続くとは思ってもみなかった。というか、副店長の彼女の話は聞いてないんですが…。
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