私が一番近かったのに…
これじゃまるで、私の方が駄々を捏ねている子供みたいだ。
段々とバカらしく思えてきた。たかが弁当を作る作らない問題で、ここまで意地を張り合うなんて、私達って本当に似た者同士だなと思った。

「もういいや。私が降参しますよ。作ればいいんでしょう。作りますとも」

もうこの際だから、勢いで作ってやる。
どんなことになっても、責任は全て愁に押しつけてやる。

「ムカつくから、わざと焦げた玉子焼きとか入れてやる…」

「いいよ。俺のために一生懸命作ってくれたんだって思うと、たとえ焦げてたとしても嬉しい」

愁は常に紳士な対応だ。そんな対応されちゃったら、余計に期待しちゃう。
決めた。私は明日、お弁当を届けるついでに、二度目の告白をする。

「…ねぇ、明日って時間ある?バイト終わりに家にきてほしいの。終わるまで待ってるから。どうかな?」

二度目の告白をして、それでもダメだったら、もうこの恋は諦めよう。これでダメなら、脈なんていくら待ってもないに等しい。
そしたら、ササッと次にいける。もう待つのは疲れちゃった。
こんなに思わせぶりな態度までされて、好きじゃなかったら、さすがに立ち直れないと思う。
もしかしたら、これが傍に居られる最後のチャンスかもしれない。
私はもう逃げないと決めた。傍に居られなくなることよりも、こんなチャンス滅多にないので、逃したくない。あなたを自分のモノにしたい。

「何を言っているんだ。いいに決まってるだろう。最初からそのつもりでいたけど」
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