私が一番近かったのに…
愁の顔が一瞬、引きつったかのように見えた。しまった…。変なことを言ってしまったと、後悔しても時は既に遅かった。
もう。せっかく告白すると決めたのに。これじゃ、せっかくの告白のチャンスも台無しだ。やっぱり、明日告白するの止めようかな。

「本当か?幸奈も俺の目が好きなのか?」

どうやら引きつっていたのではなく、ただ単に驚いていただけみたいだ。
引かれていたのではないと知り、安心した。それもそうか。愁がこんなことで今更、引いたりしないか。
誰しも自分の顔がどうなっているのかなんて分からない。私だって自分のことは分からないし、それは愁だって同じだ。
私だけが知っているあなたをもっと見てみたい。あなたをもっと独占したいと思ってしまう。

「その目で見つめられると、ゾクゾクしちゃうの…」

もっとその目で見られたい。私をもっと激しく抱いてほしいなんて思ってしまう。

「ゾクゾクしてるんじゃなくて、興奮しているの間違いじゃないか?」

これは一本取られた。確かにそうかもしれない。私はその目に興奮し、感じてしまう。

「うん、そうかもしれない」

「素直に認める幸奈、可愛いすぎ」

どうやら私は、愁が興奮する引き金を引いてしまったみたいだ。
だって嘘はつけない。それに私にだって、愁を欲しい時があると、愁にも知ってもらいたいと思った。
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