私が一番近かったのに…
「それじゃ、今すぐキスして。キスしたい」

お強請りしてしまった。大胆すぎたかな?
ここで引き下がったらダメだ。強気でいかないと。

「俺だって幸奈とキスしたい。そんなお願いされたら、我慢できない」

優しく、お互いの熱を分け合うようなキス。
それはまるで、手と手が触れ合うかのように感じた。

「…ん……、気持ちいい、」

優しいキスのせいか、いつもの倍、キスに想いを感じた。
いつものキスも悪くはないが、なんだか今日のキスは、心も蕩けるようなキスだった。

「そんなによかった?俺とのキス」

首を縦に頷いた。もうキスだけで、身体中の力が抜け落ちた。

「俺も。幸奈とのキス、よかった…」

そんなふうに言われてしまうと、もっとキスしたいと思ってしまう。

「本当?今度は私からキスしてもいい?」

私の問いかけに、愁は首を縦に頷いた。なので、私は勇気を振り絞って、自分からキスをしてみた。
恥ずかしがってなんかいられず、いきなり深いキスをしてみた。
最初はいきなり深いキスをすることに抵抗があった。こんなことをしてもいいのだろうかと。
でももう、我慢の限界だった。あまりにも愁が可愛いかったから。

「どう?下手だよね?」

自分から仕掛けたくせに、全く以て自信はなかった。愁のような上手いキスができたらいいのに。

「ううん。幸奈らしいキスで、俺はすごく好きだなって思った」

どうして、そんなにも私を甘い言葉で惑わすの?

「私も愁のキスが好き」

キスが好きって何?いや、もはやもうこれって、告白しているようなものだ。
聞こえ方によっては、キスしたいというアピールにも聞こえるが、今日の私は歯止めが効かない。想いを抑えることなんてできなかった。

「それじゃ、もう一回キスしてもいいか?」

「うん。いいよ」

二人の唇が何度も重なり合った。無我夢中になるほどに。
キスだけでこんなにも気持ちが爆発したのは、始めてだった。

「どうしよう。止まらない。俺、こんなにもキスしたいと思ったのは初めてだ」

愁も同じ気持ちだと知り、更に気持ちが溢れた。

「このままキスだけで終わっちゃってもいいの?」
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