三日月が浮かぶ部屋で猫は ~新米ペットシッターは再会した初恋の彼の生涯専属を求められる~
猫と犬に限っても種類が多い。もちろん勉強したうえで店頭に立つが、細かいことは飼い主のほうが詳しいことはよくある。動物にも個性があるから一般的な知識では客の質問に対応しきれないこともある。
客の対応より一番大変だったのは生体の健康管理だった。店頭にいるのはまだ子犬子猫の小さいな命だ。ごはんをしっかり食べているか、しっかり排泄できているか、衛生状態を保ちながら様子を見て、少しでも体調が悪そうだったら病院に連れて行くこともあった。
「ほかには、思ったのと違ったことってある?」
「思ったより甘えんぼで好奇心旺盛で活発だったな。こんなに走り回るんだね」
「寝てばっかりだと思う人はたまにいるね」
「走り回る音で苦情が来ないかひやひやしてるよ」
「防音マットを敷くとか。あとは、そうだな、自動で回転する猫じゃらしで遊ばせるとか?」
「そんなのあるんだ」
「猫のルームランナーとか、教えれば教えるだけ買いそうね」
「買うだろうなあ。猫ベッドも種類が豊富で、あれもこれも買いそうになってやばかった」
「それで爪とぎもたくさんあるのね。でも減らしたほうがいいかもよ?」
「家具や壁に爪建てられたくないからなあ」
「たくさんあると逆に迷うみたい。ここで、と決まってるほうがいいんだって。ちょっと様子を見てあげて?」
「難しいな。来てもらってよかった」
「お役に立てたなら嬉しいわ。でもなかなか出て来てくれないね」
スフィンクスはケージの中で香箱座りをしてこちらの様子を見ている。
「飼い主が仲良さそうにしていると安心して出て来るかも?」
そう言って尚仁は沙耶の肩に手をまわし、抱き寄せる。
尚仁の顔が近い。体の芯がきゅっとして、カーっと顔が熱くなる。なんでこんなことするの、と抗議の目で見ると、尚仁はやわらかく微笑していた。さらに鼓動が早くなってしまう。
「いつの間にそういうこと覚えたの?」
顔を赤くしながら沙耶はその腕から逃れた。
「俺は仲良くしたいのに、残念だな」
「からかわないでよ」
沙耶が言うと、尚仁はまた笑った。
それからも2人でタブレットを使って猫用品を見てあれやこれやを言い合った。
あっという間に時間は過ぎて行った。
客の対応より一番大変だったのは生体の健康管理だった。店頭にいるのはまだ子犬子猫の小さいな命だ。ごはんをしっかり食べているか、しっかり排泄できているか、衛生状態を保ちながら様子を見て、少しでも体調が悪そうだったら病院に連れて行くこともあった。
「ほかには、思ったのと違ったことってある?」
「思ったより甘えんぼで好奇心旺盛で活発だったな。こんなに走り回るんだね」
「寝てばっかりだと思う人はたまにいるね」
「走り回る音で苦情が来ないかひやひやしてるよ」
「防音マットを敷くとか。あとは、そうだな、自動で回転する猫じゃらしで遊ばせるとか?」
「そんなのあるんだ」
「猫のルームランナーとか、教えれば教えるだけ買いそうね」
「買うだろうなあ。猫ベッドも種類が豊富で、あれもこれも買いそうになってやばかった」
「それで爪とぎもたくさんあるのね。でも減らしたほうがいいかもよ?」
「家具や壁に爪建てられたくないからなあ」
「たくさんあると逆に迷うみたい。ここで、と決まってるほうがいいんだって。ちょっと様子を見てあげて?」
「難しいな。来てもらってよかった」
「お役に立てたなら嬉しいわ。でもなかなか出て来てくれないね」
スフィンクスはケージの中で香箱座りをしてこちらの様子を見ている。
「飼い主が仲良さそうにしていると安心して出て来るかも?」
そう言って尚仁は沙耶の肩に手をまわし、抱き寄せる。
尚仁の顔が近い。体の芯がきゅっとして、カーっと顔が熱くなる。なんでこんなことするの、と抗議の目で見ると、尚仁はやわらかく微笑していた。さらに鼓動が早くなってしまう。
「いつの間にそういうこと覚えたの?」
顔を赤くしながら沙耶はその腕から逃れた。
「俺は仲良くしたいのに、残念だな」
「からかわないでよ」
沙耶が言うと、尚仁はまた笑った。
それからも2人でタブレットを使って猫用品を見てあれやこれやを言い合った。
あっという間に時間は過ぎて行った。