三日月が浮かぶ部屋で猫は ~新米ペットシッターは再会した初恋の彼の生涯専属を求められる~
「あ!」
 衝撃でバランスを崩した尚仁はそのまま沙耶に覆い被さるように倒れた。
 ぶつかる!
 衝撃を覚悟して目を閉じる。

 が、予想した衝撃は訪れずに唇に柔らかいものが触れた。

 驚いて目をあけると尚仁の顔が至近距離にあった。驚いた彼と目が合う。
 尚仁と沙耶の唇が重なっていた。

 尚仁はバッと体を離した。
「ごめん」
「うん……」
 尚仁の謝罪に、沙耶はうなずく。

「わざとじゃないから」
「わかってる」
 頬を染める尚仁に、沙耶は真っ赤になって答える。

 沙耶は言葉少なに帰り支度をした。
 クレオパトラは悠然とソファに横たわり、尻尾を動かしていた。
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