三日月が浮かぶ部屋で猫は ~新米ペットシッターは再会した初恋の彼の生涯専属を求められる~
「お風呂、すごい助かる」
と尚仁は喜んでくれた。
気が付けば沙耶は彼の家の近くの求人を必死に探していた。
面接にも行ってみたが、そう簡単には受からなかった。
そうこうするうちに1カ月が経過していた。
貯金は徐々に減り、沙耶は焦り始めていた。
沙耶はその日、上機嫌で尚仁の住まいに向かった。
彼の住まいの近くでよい求人があったのだ。事務にしては給料が良かった。
書類選考も通り、面接を明日に予定していた。
彼の部屋に到着した直後、スマホが鳴った。
「はい」
「ごめん、今どこにいる?」
「ちょうどあなたの部屋に着いたところ」
「急で悪いんだけど、クーを連れて来てほしい。場所は……」
「ちょっと待って」
彼の部屋の筆記用具を借りて、指定された場所をメモする。
メモが終わると、彼は理由も告げずに、待ってるから、とだけ言って通話を切った。
なにがあったのだろう。
もやもやしたものを抱えながら、部屋を見渡す。
いつもと変わらない整頓された部屋だった。猫用品が順調に増えていくことだけが最初に来たときと違っていた。
クレオパトラはすっかりなつき、沙耶に頭をこすりつけてくる。
「おでかけだって」
彼女に話しかけると、にゃー、と返事がきた。
クレオパトラにハーネスをつけてキャリーケースに入れ、おやつや水、リード、念のためにトイレシートの替えも持って沙耶はすぐに部屋を出た。
指定されたのは高級ホテルとして知られる東京ソリナットだった。
どうしてそんな場所なのかわからない。
ホテルについたと連絡を入れたらラウンジに来てと言われて、そちらに行く。
ラウンジ側は天井までガラスばりで、広い室内に明るい光が差し込んでいる。
と尚仁は喜んでくれた。
気が付けば沙耶は彼の家の近くの求人を必死に探していた。
面接にも行ってみたが、そう簡単には受からなかった。
そうこうするうちに1カ月が経過していた。
貯金は徐々に減り、沙耶は焦り始めていた。
沙耶はその日、上機嫌で尚仁の住まいに向かった。
彼の住まいの近くでよい求人があったのだ。事務にしては給料が良かった。
書類選考も通り、面接を明日に予定していた。
彼の部屋に到着した直後、スマホが鳴った。
「はい」
「ごめん、今どこにいる?」
「ちょうどあなたの部屋に着いたところ」
「急で悪いんだけど、クーを連れて来てほしい。場所は……」
「ちょっと待って」
彼の部屋の筆記用具を借りて、指定された場所をメモする。
メモが終わると、彼は理由も告げずに、待ってるから、とだけ言って通話を切った。
なにがあったのだろう。
もやもやしたものを抱えながら、部屋を見渡す。
いつもと変わらない整頓された部屋だった。猫用品が順調に増えていくことだけが最初に来たときと違っていた。
クレオパトラはすっかりなつき、沙耶に頭をこすりつけてくる。
「おでかけだって」
彼女に話しかけると、にゃー、と返事がきた。
クレオパトラにハーネスをつけてキャリーケースに入れ、おやつや水、リード、念のためにトイレシートの替えも持って沙耶はすぐに部屋を出た。
指定されたのは高級ホテルとして知られる東京ソリナットだった。
どうしてそんな場所なのかわからない。
ホテルについたと連絡を入れたらラウンジに来てと言われて、そちらに行く。
ラウンジ側は天井までガラスばりで、広い室内に明るい光が差し込んでいる。