天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす

 二日後、昼からの国内線フライトに合わせ出勤準備をし、出かける前に紗弓の部屋を覗いた。

 遅番上がりの紗弓はまだベッドで眠っており、軽くキスをして「行ってきます」と告げる。今日と明日、彼女は連休なので、実家に戻ってゆっくり羽を伸ばしてくれたらと思う。

 空港に着くと、制服に着替えてフライト前のブリーフィングを行うオフィスに向かう。

 今日は羽田~福岡間を一往復した後、大阪の伊丹空港へ飛んでそのままステイ。

 国内線乗務の日は、国際線の長距離フライトとはまた違う、目まぐるしい一日を過ごすことになる。

 可能な限り時間通りの運航ができるよう、気を引き締めてかかろう。

 集中力を高めるために一度小さく深呼吸をしてから、オフィスに足を踏み入れた。

 ペアとなる副操縦士と顔を合わせ、フライトプランを作成した運行管理者も交えて必要な情報を確認し合う。

 今日の副操縦士は新人らしく、緊張でガチガチになっていた。

「到着時の福岡空港は雨に加えて風も強そうですね」

 雲の流れを予想した映像を眺め、副操縦士が難しい顔をする。

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