天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす

「それじゃ、お願いする」
「ラジャー」

 ノアが親指を立てて微笑む。こうして往路は彼女が、明日の復路は操縦を担当することになった。

 とはいえ、空模様や現地の滑走路の状況は、フライトごとに違う。今までが大丈夫だからといってトラブルが起きない確証はなにもないのだ。

 いつも通り、俺は機長として責任ある仕事をまっとうする。そんな心づもりを今一度確認してから、担当機へと移動した。

 コックピットに乗り込むと、外部点検をノアに任せ、整備担当者から機体の状況を聞き取りする。

 朝から働きづめで今日五回目のフライトだという機体だが、今すぐ直すべき箇所などはなく、計器類にも異常はないとのことだった。

 整備士と入れ替わりでノアが戻ってきたところで、客室乗務員たちとのブリーフィングを開始する。

 その中にはベテランCAの涼野さんの姿もあり、心強く思う。乗客のことは彼女に任せておけば大丈夫だ。

「本日、伊丹までの操縦は、副操縦士の成沢さんが担当します」
「成沢です。よろしくお願いします」

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