病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
コレットは薄々感じていたが両親はリリアーヌをずっとそばに置いておくつもりらしい。
それにはさすがにディオンも困惑気味だったが、リリアーヌと顔を合わせてその印象も変わったようだ。
「まぁ、こんな素敵な方がコレットお姉様の婚約者になるの!?」
「…………えぇ」
「まるで王子様みたい……コレットお姉様が羨ましいわ!」
「ありがとう、リリアーヌ。そう言ってもらえてよかった」
「ディオン様に名前を呼んでもらえて嬉しいっ!コレットお姉様とわたしは毎日話すほど仲良しなのですよ?ディオン様、お姉様をよろしくお願いします!」
そして帰り際、二人きりになった時にコレットはディオンに問いかける。
「あなたの噂を聞いたわ。随分と派手に遊んでいるそうね」
「ははっ、ただの噂だろう……?」
「本当かしら」
ディオンは笑顔からこちらを値踏みするような視線に切り替わる。
コレットが厳しい表情でいると、ディオンは意外にもすぐに本性が見せた。
「知っていたところで、お前は何ができるんだよ」
「…………」
「ミリアクト伯爵家の噂は聞いてるぜ?妹があんなに可愛がられていて悔しくないのか?」
「えぇ、別に」
「……ふん、そうかよ」
ディオンは家族の関係性を今日、一日で見抜いたのだろう。
見送りのために両親が出てきたことで会話が終わる。
ディオンは笑顔で去って行った。