病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
「この国は僕がもらいます」
『捕えろ』というヴァンの一言でシェイメイ帝国の兵たちが会場に入ってくる。
国王と王妃やウィリアムは引き摺られるように会場を後にしていく。
彼らがこの後どうなってしまうのか。
コレットは知らない方がいいだろう。
コレットはヴァンに腕を引かれて王座への階段を登っていく。
今はヴァンについてくしかないとコレットはエスコートされるがまま足を進めた。
取り残された貴族たちや来賓客たちは戸惑っているが、ヴァンは切り替えるようにパンパンと手を叩き注目を集める。
先ほどとはまったく違う明るい声色が会場に響いた。
「改めましてヴァン・シェイメイです。この国は妻、コレットと僕が生まれた大切な故郷です。今と変わらない生活を約束しますので皆さんは安心してください」
「……ヴァン」
「ご存知の方もいるかもしれませんが僕の父はエヴァリルート国王、母はシェイメイ帝国の人間です。本当の名前はシルヴァン……エヴァリルート王国の第一王子として生まれました」
ヴァンは今日からエヴァリルート王国がシェイメイ帝国の支配下に置かれることになることを説明した。
先ほどのことがあったからなのか誰も反発の声を上げるものはいない。
そしてどこにいたのかシェイメイ帝国の従者たちが会場に入り、一人一人に紙を配っていく。
今はエヴァリルート王国の全土の貴族たちが集まっているからだろう。