病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
「ヴ、ヴァン……?」

「どうすればコレットに信用してもらえる?そうだ。僕の気持ちをわかってもらえるように指を切り落として……もういっそのこと命でも」

「~~~ッ!?!?」


どこから出したのか小さなナイフを自分の首に突きつけるヴァンを見てコレットは驚いていた。
どうやら冗談ではないようだ。
その証拠にメイメイとウロも焦っているのか、ヴァンの体にしがみついて腕を押さえている。
首を横に振りながらコレットに縋るような視線を送っているではないか。
まさか自分が言った冗談でヴァンがここまで取り乱すとはまったくの予想外である。


「コレットに愛されない人生なんて……何の意味もありません」

「ヴァン、やめて……!今のは冗談で何もできない自分が悔しくて……!だからヴァンのことはちゃんと愛しているから!」


コレットはヴァンを止めようと必死だったが、カランカランとナイフが落ちる音が聞こえた。
ウロは素早くナイフを拾い上げる。


「本当ですか?」

「えぇ、本当よ!ごめんなさい、少し寂しくて……」

「今度からは絶対に不安にさせるようなことはしませんから」


コレットはヴァンに包み込まれるように抱きしめられる。
見上げるとヴァンは嬉しそうに笑みを浮かべていた。

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