病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
コレットは資料をめくり、仕事ばかりして悴んだ指を擦った。

馬車の中でディオンの隣に当然のように座っているリリアーヌははしゃぎっぱなしだった。
彼と仲睦まじい様子とコレットよりも数倍は煌びやかなドレスを見せつけて満足そうだ。

会場に着くとディオンは「ミリアクト伯爵に頼まれているから」と言ってリリアーヌを当然のようにエスコートして馬車から降りた。

御者のさっさと降りろと言わんばかりのため息が聞こえて、コレットは重たい足を動かして前に進んでいく。
しかしコレットが婚約者を取られたという噂が流れ、リリアーヌの美貌が注目をあつめるかと思いきや、コレットが考えていたよりもずっと最悪なことが起こる。

リリアーヌは貴族の令息、令嬢たちが集まるパーティーで大失態を犯した。

挨拶の列や話に割り込み、格上の令嬢や令息の名前を聞いたかと思いきや友人のように親しげに話しはじめた。
コレットが止めても気が大きくなったリリアーヌの暴走は続き、拙いマナーで周囲を愕然とさせた。

ディオンはすぐにリリアーヌから離れるとコレットの元に戻ってくる。
その表情は引き攣っていた。
あまりにも身勝手な振る舞いをしているリリアーヌと一緒にいたくなかったのだろう。
「あとは任せた」、そう言ってどこかに消えてしまった。
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