病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
部屋に閉じこもり、ろくに食事もとらないコレットはボーっと窓を眺めていた。
毎日、父と母の怒鳴り声がコレットの部屋に響いた。


「書類が溜まっているぞ!どうにかしろ!」

「私たちはリリアーヌのそばにいなきゃいけないから、代わりに領地の視察に行ってきなさい!」


本来ならば自分たちの仕事なのに平然とコレットに押し付けている。

(もういい加減にして……っ!)

目の前に溜まっていく資料を無視することがコレットの僅かな抵抗だった。
両親も今回の件に関しては負い目があるのだろうか。
手を上げられることはなかったが、毎日「明日までにやっておかなければタダじゃおかないからな!」と言って部屋から去っていく。

このまま死ねたのならどんなに幸せだろう、そう思ってしまうほどにコレットは憔悴していた。

そしてパーティーの日から二週間が経とうとしていた。
ここ数日はあんなにうるさかった両親が何も言ってこないことを不思議に思っていたコレットだった


──コンコンッ


いつもより控えめに扉を叩く音。
返事もしないコレットに侍女はめんどくさそうに溜息を吐いた後に「ディオン様がお見えです」と言った。

(今更、何の用なの……?まさかあの時の説明を?)

僅かな希望を持ったコレットはディオンが来た知らせを受けて立ち上がり、軽くブラシで髪を整えて準備をする。
侍女がいなくても自分のことはすべて自分でできた。
嫌々やられるのも気分が悪いと思って見て覚えたからだ。
文句を言われながらやられるよりは慣れてしまえば楽でいい。
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