病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
コレットはフラフラと部屋から出て来客用のサロンに足を運ぶ。
誰もいない部屋の前に立ち、後ろでクスクスと笑っている侍女たちを鋭く睨みつけると「こ、こちらです」と言って、案内されたのは何故かリリアーヌの部屋の前。

扉をノックすると鼻を啜る音と悲しげな「はい」という声。
嫌な予感を感じつつ、コレットは自分で扉を開けてリリアーヌの部屋に入る。

そこには目元が赤く腫れて小さく肩を跳ねさせているリリアーヌと、そんな彼女に寄り添うディオンの姿があった。


「コレットお姉様ったら、ひどいわ!」


そう言って持っていたハンカチで目元を拭う。
コレットは黙ってその言葉を聞いていた。


「いくらわたしが嫌いだからってこんなことしなくてもいいのにっ」

「…………」


この言葉やディオンがリリアーヌの隣にいることで、コレットの希望は打ち砕かれることになる。
コレットはリリアーヌとディオンを無表情で見つめていた。

(パーティーの失態をわたくしに擦り付けようとしているのね)

リリアーヌは自分の失態をすべてコレットに擦り付けるつもりなのだろう。
そしてディオンはそれを理解していながらもリリアーヌの味方をしている。
自分は悪くないと言いたげな顔にため息すら出てこない。


「お父様もお母様もディオン様も、コレットお姉様にはがっかりしていたわ!」
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