病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
コレットがディオンに視線を送ると、彼はコレットを馬鹿にするように微笑んでいる。
どうやらコレットの味方をするつもりは毛頭ないらしい。


「お父様がコレットお姉様は領地の仕事もしないから、もうダメだろうですって。だから代わりにわたしがミリアクト伯爵家をディオン様と支えていくわ!」

「…………」


今日、コレットは病弱と嘘をついている妹に何もかもを奪われた。


「ずっと病気で何もできなかったわたしに、婚約者をちょうだい?これくらいいいでしょう?」


これくらいいいでしょう?
その言葉はコレットの心を大きく抉った。


「……リリアーヌ、本気で言ってるの?」

「えぇ、だって仕方ないじゃない。コレットお姉様が悪いのよ?」

「すまないな、コレット。俺はリリアーヌと結婚する」

「……ッ!」

「病がよくなったリリアーヌに嫉妬して、陰で虐げていたなんて。許されることではないだろう?」


妹、リリアーヌの桃色の唇が綺麗に弧を描いている。

リリアーヌとコレットは一歳差の姉妹だ。
プラチナブロンドの髪が嫌味なほどにサラリと揺れた。
婚約者のディオンは、いつもの胡散臭い笑顔が嘘のように眉を吊り上げてコレットを睨みつけている。
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