病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
「この恩知らずがっ、お前など除籍だ!今すぐに手続きをしてやる」

「出て行くなら勝手にしなさいっ!戻ってこれるなんておもわないことね!」

「その辺で野垂れ死ねばいいっ」

「ミリアクト伯爵家の恥晒しよ!二度と顔を見せないでちょうだい」


壁や扉に阻まれていても、二人の金切り声はよく聞こえた。
コレットはその声を鼻で笑いながら自分の部屋へと足早に向かった。

(除籍……願ってもない処遇よ)

コレットの心にあったわずかな希望は砕け散り、家族としての情も髪と一緒に切り捨ててしまった。
また物置部屋に閉じ込められては困るからと、コレットは部屋の扉を閉じて近くにあった家具を置いて扉が開くのを防ぐ。
コレットの予想通り、先ほどの暴言だけでは気が済まなかったのかドタドタと荒い足音がこちらに近づいてくる。

しかし家具に扉が阻まれて開かないことで更に逆上しているようだ。

(急いでこの家から出ていかないと……!)

テーブルの引き出しを隠し持っていた鍵で開けてからコレットはランプに灯り灯すのに使っているマッチに火をつけた。

アレクシアとエルザからもらった手紙をすべて燃やすためだ。
コレットが出て行き、手紙が見つかることで二人に被害が及ぶことだけは避けたかった。
焦げ臭い匂いがしたことで両親は怒ることも忘れて、焦っているようだ。
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