かつて女の子だった人たちへ
念願の特典会、芽里は10枚のチェキ券を手にレイキの列でおとなしく順番を待った。今日は最初も最後も狙わない。

「メリーさん! 来てくれたんだね!」

やってきた順番、10日ぶりに再会したレイキは初日よりずっと落ち着いた雰囲気だった。

「レイキ、長く来られないでごめんね」

レイキの顔を見ると、無性に泣けてきた。やっと会えた。喜びで、胸が苦しい。

「今日は10枚チェキをお願いします」
「ありがとう。どんなポーズにしようか」
「レイキのおすすめでいいよ。って、こういう頼み方じゃ困る?」
「んーん、メリーさんと撮りたいポーズ、たくさん考えてたから大丈夫」

前回は時間が足りなくて焦ってろくに話せなかった。今日は早口だけどスムーズに話せるし、レイキが待っていてくれた事実に芽里の顔もほころぶ。
並んで同じポーズを取ったり、肩を抱いてもらったり。時間は短いが、接触はコンカフェ時代より多い気がする。それに10枚の写真を撮りながらレイキは小声で芽里に言うのだ。

「今日、メイクも服も感じ違うね。可愛い」

アンチにバレないための変装だったが、レイキの反応がよくて驚く。

「レイキ、こういう系の服、好き?」
「好きかも。でも、メリーさんが着てるから可愛く見えるのかな」

コンカフェ時代は膝丈やロングのスカートにカットソーとか、ワイドパンツにシャツなどというオフィスカジュアルの延長のような私服で会いに行っていた。
レイキの好みなら、量産型の服装をしようと芽里は心に誓う。
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