かつて女の子だった人たちへ
一度、俊夫の持っているショップの若い女性と映った写真がスマホの画面に見えたことがあり、驚いてその場で追及した。
『雪奈が不安なら、スマホの中身を見ていいよ』
そう言って俊夫はスマホのパスワードを教えてくれた。それからはどうしても怪しいと思った時だけチェックしていたが、本人の目の前でやっていたし、実際証拠になるようなやりとりも写真も見つかった試しがなかった。
「馬鹿みたい。きっと、全部PCや社用スマホでやってたんだ」
雪奈はとぼとぼと家の中に入る。食洗器をかけて、洗濯物を干して、掃除をしてしまおう。
新居に引っ越してから、絆も大きくなってきたのでハウスクリーニングは半年に一回程度に減らしてもらい、雪奈は家事に精を出している。
昨晩は俊夫になだめられて、その場が終わった。
(離婚の話でもすればよかったかな)
そう考えて、すぐに打ち消した。今回のことはどうしようもなくショックだ。しかし、すぐに離婚に踏み切れるものでもない。
雪奈は専業主婦。十年以上社会に出ていないし、まともな就職活動もしたことがない。
俊夫の収入があるからこそ、今の裕福で平穏な生活は維持できている。この先、絆の学費や習い事でいっそうお金がかかるだろう。俊夫の収入なくして、絆に満足いく学歴をつけさせてやれるかわからない。
俊夫は謝罪し、すべて遊びだったと弁明した。雪奈との離婚など考えてもいないだろう。
これらの事情を鑑みれば、雪奈が離婚だと騒ぎ立てるのは現実的ではなかった。
(許すしか……ない……)
雪奈は拳をぎゅっと握り、うつむいた。
『雪奈が不安なら、スマホの中身を見ていいよ』
そう言って俊夫はスマホのパスワードを教えてくれた。それからはどうしても怪しいと思った時だけチェックしていたが、本人の目の前でやっていたし、実際証拠になるようなやりとりも写真も見つかった試しがなかった。
「馬鹿みたい。きっと、全部PCや社用スマホでやってたんだ」
雪奈はとぼとぼと家の中に入る。食洗器をかけて、洗濯物を干して、掃除をしてしまおう。
新居に引っ越してから、絆も大きくなってきたのでハウスクリーニングは半年に一回程度に減らしてもらい、雪奈は家事に精を出している。
昨晩は俊夫になだめられて、その場が終わった。
(離婚の話でもすればよかったかな)
そう考えて、すぐに打ち消した。今回のことはどうしようもなくショックだ。しかし、すぐに離婚に踏み切れるものでもない。
雪奈は専業主婦。十年以上社会に出ていないし、まともな就職活動もしたことがない。
俊夫の収入があるからこそ、今の裕福で平穏な生活は維持できている。この先、絆の学費や習い事でいっそうお金がかかるだろう。俊夫の収入なくして、絆に満足いく学歴をつけさせてやれるかわからない。
俊夫は謝罪し、すべて遊びだったと弁明した。雪奈との離婚など考えてもいないだろう。
これらの事情を鑑みれば、雪奈が離婚だと騒ぎ立てるのは現実的ではなかった。
(許すしか……ない……)
雪奈は拳をぎゅっと握り、うつむいた。