かつて女の子だった人たちへ
浮気発覚から一週間が経った。雪奈の気分はまだ晴れていない。
当然といえば当然だ。夫がパパ活女子のパパだったなんて、簡単に受け入れられる話ではない。裏切られた傷が一週間で治るなら、方法を教えてほしいものだ。
俊夫は頻繁に求めてくるが、一度も応じていない。夫のことは好きだと思っていた。しかし、浮気が明るみに出てから、どうしても嫌悪感が先に立つ。
知らない女を抱いていた手で、触れてくるのが気持ち悪い。不潔だ。自分にも絆にも触れないでほしい。
俊夫は『気持ちの整理がつくまで待つよ』と理解ある態度を取っているが、そもそも俊夫が裏切り行為をしなければこんなことになっていない。どうして上から目線なのだろう。
謝罪を兼ねて好きなものを買っていいなどと俊夫が言っていたが、浮気を許したようになりたくないのでブランドショップは行っていない。

浮気。
世間にはありふれたことなのだと思う。俊夫の性格、資産、職業を考えたら、若い女性と関係を持つのは容易だろう。
しかし、ほんの先日まで雪奈は夫を信じていた。夫婦の誓いを破るはずがないと無邪気に考えていた自分が憎い。

浮気されてみてわかったのは、パートナーが他の異性を選ぶというのは、自意識が極端に下がるということだった。存在を否定されたようなものだ。
つらい。苦しい。
味方だった人に裏切られ、適当に扱われた。軽んじられ、女として否定された。

雪奈に相談できる相手はいなかった。
兄弟姉妹はいない。両親は心配するだろうから言えない。離婚を考えていないのだから、余計に波風を立てられない。
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