かつて女の子だった人たちへ
「浮気は男の甲斐性って言うでしょ。あの子ほど成功している男に若い女が寄っていくのは普通なの。雪奈さんだって寄ってきたクチじゃない」
「私は……!」
カッとして、思わず強い口調が出かけた。
当時、口説いてきたのは俊夫であり、彼は独身だったのだ。今とはまったく状況が違うのに、浮気相手たちと同列にしないでほしい。
「奥さんはあなたでしょう。大きく構えて些細な火遊びくらい許してあげなさい。俊夫は一生懸命仕事をしているんだから、イライラしたり不貞腐れたりして俊夫の邪魔をしないこと」
浮気を責めることが仕事の邪魔になるのだろうか。とんでもない論理だ。
やはり義母は義母。結婚当初からまったく話が通じず、図々しくてうるさくて、高圧的で……。
「お義母さん、そう言いますけど、浮気は不貞行為ですよ。結婚という契約を破っているんです。それを火遊びと片付けられても……」
「あのねえ」
雪奈の言葉にかぶせるように、義母が口を開く。こうして言葉を最後まで聞いてくれないのもしょっちゅうだ。
「契約というなら、あなただってもう少し結婚生活で努力したらどう?」
「私は、主婦として母として、務めを果たしているつもりです」
義母がくすっと笑った。見れば見るほど腹立たしい嘲笑を浮かべている。
「雪奈さんがふたり目を渋るから、俊夫は浮気に走ったんじゃない?」
雪奈は目を剥き、言葉を失った。怒りで手が震える。
第一子がなかなか授からない時代も、義母には散々嫌味を言われた。絆が産まれてすぐ、産院でボロボロの雪奈の前で『次は女の子がいいわぁ』と大声を張り上げたのも義母。
そんな義母が、息子可愛さに罪の原因が雪奈にあると言い張るのは有りうる話だ。
「私は……!」
カッとして、思わず強い口調が出かけた。
当時、口説いてきたのは俊夫であり、彼は独身だったのだ。今とはまったく状況が違うのに、浮気相手たちと同列にしないでほしい。
「奥さんはあなたでしょう。大きく構えて些細な火遊びくらい許してあげなさい。俊夫は一生懸命仕事をしているんだから、イライラしたり不貞腐れたりして俊夫の邪魔をしないこと」
浮気を責めることが仕事の邪魔になるのだろうか。とんでもない論理だ。
やはり義母は義母。結婚当初からまったく話が通じず、図々しくてうるさくて、高圧的で……。
「お義母さん、そう言いますけど、浮気は不貞行為ですよ。結婚という契約を破っているんです。それを火遊びと片付けられても……」
「あのねえ」
雪奈の言葉にかぶせるように、義母が口を開く。こうして言葉を最後まで聞いてくれないのもしょっちゅうだ。
「契約というなら、あなただってもう少し結婚生活で努力したらどう?」
「私は、主婦として母として、務めを果たしているつもりです」
義母がくすっと笑った。見れば見るほど腹立たしい嘲笑を浮かべている。
「雪奈さんがふたり目を渋るから、俊夫は浮気に走ったんじゃない?」
雪奈は目を剥き、言葉を失った。怒りで手が震える。
第一子がなかなか授からない時代も、義母には散々嫌味を言われた。絆が産まれてすぐ、産院でボロボロの雪奈の前で『次は女の子がいいわぁ』と大声を張り上げたのも義母。
そんな義母が、息子可愛さに罪の原因が雪奈にあると言い張るのは有りうる話だ。