かつて女の子だった人たちへ
機嫌よく朝食の仕度をしている雪奈を絆が「ママ、今日は元気だね」と笑顔で見守る。絆は何があったかまったく知らないが、ここ最近母親の元気がないのは気づいていたようだ。
絆のためにも、両親が不仲ではいけない。
「ママ、今日はおでかけなんだ。帰ってきたとき、ママがいないかもしれないけど、なるべく早く戻るね。絆のスイミングまでには帰るよ」
「うん。ママ、どこにいくの?」
「パパがランチに誘ってくれたから行ってくるね」
絆は「いいなあ」と羨ましそうな顔をした。今度は家族で外食しようと約束する。
時間をかけてメイクをし、髪の毛をセットした。秋物のワンピースは数年前に買ったものだが、ママ友とのランチ会で一度着たくらい。やせ型の雪奈はスタイル的にも問題なくフィットした。気に入りのジャケットを羽織り、家を出る。
一度来たことのあるフレンチレストランに先に到着したのは時刻の十分前。予約してあった席で、俊夫を待った。
約束の十二時を過ぎても俊夫は来ない。スマホを見て、入口を見て、きょろきょろと視線をさまよわせてしまう。席にやってきたウエイターに連れが遅れている旨を伝え、ランチコースのスタートを待ってもらった。俊夫からの連絡はない。
十五分すぎたところでメッセージが入った。
【ごめん。トラブルで行けそうもない】
雪奈は憮然とスマホを見つめた。十五分も過ぎて連絡をしてくるなんて。
仕事上のトラブルは仕方ない。それでも、遅れそうだとわかった時点で、まず雪奈や店に連絡をするのが普通だ。
絆のためにも、両親が不仲ではいけない。
「ママ、今日はおでかけなんだ。帰ってきたとき、ママがいないかもしれないけど、なるべく早く戻るね。絆のスイミングまでには帰るよ」
「うん。ママ、どこにいくの?」
「パパがランチに誘ってくれたから行ってくるね」
絆は「いいなあ」と羨ましそうな顔をした。今度は家族で外食しようと約束する。
時間をかけてメイクをし、髪の毛をセットした。秋物のワンピースは数年前に買ったものだが、ママ友とのランチ会で一度着たくらい。やせ型の雪奈はスタイル的にも問題なくフィットした。気に入りのジャケットを羽織り、家を出る。
一度来たことのあるフレンチレストランに先に到着したのは時刻の十分前。予約してあった席で、俊夫を待った。
約束の十二時を過ぎても俊夫は来ない。スマホを見て、入口を見て、きょろきょろと視線をさまよわせてしまう。席にやってきたウエイターに連れが遅れている旨を伝え、ランチコースのスタートを待ってもらった。俊夫からの連絡はない。
十五分すぎたところでメッセージが入った。
【ごめん。トラブルで行けそうもない】
雪奈は憮然とスマホを見つめた。十五分も過ぎて連絡をしてくるなんて。
仕事上のトラブルは仕方ない。それでも、遅れそうだとわかった時点で、まず雪奈や店に連絡をするのが普通だ。