かつて女の子だった人たちへ
(この人はただのいい人なんだ。不思議なパワーや前世の話はにわかには信じられないけれど、博愛で自分の信念を持った人なんだ)
そして、彼女の思いやりで雪奈の心が軽くなったのも事実である。
考えているように見えたのか、クレマチスが顔を覗き込んできた。
「ユキナさん?」
「あ、ごめんなさい。壮大なお話で、圧倒されてしまったんです。私、自分なりに色々なものを見て大人になったような気がしていましたけど、実は目を閉じて生きてきたんじゃないかと感じてしまいました」
「そんなことないわ。私はたまたま師と出会ったタイミングが目覚めのときだった。ユキナさんはこれから目覚めるのよ」
クレマチスの言葉には実感があった。その真摯な姿は、理解には及ばなくとも雲をつかむような話だと切り捨てることもできない。
少なくとも彼女自身には、他者を楽にする魅力がある。
その後の交流会はとても楽しかった。参加者は二十名ほどで、主婦が多かった。最初と最後に瞑想をしたくらいで、あとはほとんどお喋りをしながら食事をしただけ。
「ユキナさんってすごく美人ね。クレマチス先生のお友達?」
「い、いえ。ずっと動画を拝見していて、最近オンラインサロンに入ったばかりの視聴者です」
「そうなの? 独特のオーラを感じるわ」
「クレマチス先生と似た雰囲気があるわよね」
褒められれば悪い気はしない。照れていると、クレマチスがその輪に入ってきて言う。
「ユキナさんは素質がありそうな方なの。皆さん、色々教えてあげてね」
女性参加者たちが「はあい」と明るい返事をした。学生時代に戻ったようないい雰囲気だった。
そして、彼女の思いやりで雪奈の心が軽くなったのも事実である。
考えているように見えたのか、クレマチスが顔を覗き込んできた。
「ユキナさん?」
「あ、ごめんなさい。壮大なお話で、圧倒されてしまったんです。私、自分なりに色々なものを見て大人になったような気がしていましたけど、実は目を閉じて生きてきたんじゃないかと感じてしまいました」
「そんなことないわ。私はたまたま師と出会ったタイミングが目覚めのときだった。ユキナさんはこれから目覚めるのよ」
クレマチスの言葉には実感があった。その真摯な姿は、理解には及ばなくとも雲をつかむような話だと切り捨てることもできない。
少なくとも彼女自身には、他者を楽にする魅力がある。
その後の交流会はとても楽しかった。参加者は二十名ほどで、主婦が多かった。最初と最後に瞑想をしたくらいで、あとはほとんどお喋りをしながら食事をしただけ。
「ユキナさんってすごく美人ね。クレマチス先生のお友達?」
「い、いえ。ずっと動画を拝見していて、最近オンラインサロンに入ったばかりの視聴者です」
「そうなの? 独特のオーラを感じるわ」
「クレマチス先生と似た雰囲気があるわよね」
褒められれば悪い気はしない。照れていると、クレマチスがその輪に入ってきて言う。
「ユキナさんは素質がありそうな方なの。皆さん、色々教えてあげてね」
女性参加者たちが「はあい」と明るい返事をした。学生時代に戻ったようないい雰囲気だった。