かつて女の子だった人たちへ
「オーガニックなものを食べようって決めたのは、私が尊敬しているクレマチスさんの影響なんですが、やっぱり大地に近く自然なものを摂取したいっていうのは身体の欲求だと思うんです。家族には健康でいてほしいじゃないですか」

女優を目指していた頃、ラウンジ嬢をやっていた頃、話し方についてはたくさん勉強したし、実践してきたと思う。それが役に立っている。台本はある程度用意しておいたが、ほとんど頼らずに話ができた。

「……こんな感じで、簡単だけどいいものを一日一回取り入れるのに、朝食はちょうどいいのではないかなと思います。最後に私の朝の習慣をもうひとつ。それは瞑想です」

すらすらと言葉が出てくる。クレマチスの動画と出会った瞬間を思い出した。あんなふうに喋れているだろうか。この配信で、何かが変わる人がいるだろうか。

「心と身体をフリーにして、悪いものを外へ、美しいものを内側へ。そんな気持ちで呼吸をします。私は五分ほどですが、毎朝やると一日元気で過ごせますし、夜の寝付きもすごくいいんですよ。ぜひ、試してみてくださいね」

にこっと微笑んで見せ、雪奈は最後のメッセージを伝えた。これは言おうと思っていたことだ。

「悩みでいっぱいだった私を導いてくれたクレマチス先生には感謝の気持ちでいっぱいです。今日のライブも背中を押してくれてありがとうございました。それでは、ご視聴ありがとうございました」

三十分ほどのライブ配信を終えると真冬だというのにぐっしょりと汗をかいているのがわかった。
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