かつて女の子だった人たちへ
小学校から連絡を受けたのは翌週のことだ。
絆が体調不良なので迎えにきてほしいという連絡だった。時刻はもう放課後である。
帰宅してくる子どもたちの波に逆らって小学校へ向かった。教員室で声をかけると、担任の女性教師に応接室へ通された。
「喧嘩……ですか?」
「そうなんです。どのお子さんか明言するのは差し控えさせていただきたいんですが、嫌なことを言われて怒った絆くんが相手の子を押してしまいまして」
体調不良だと思って出かけたら、実際は喧嘩騒ぎで雪奈は仰天した。絆は今まで誰かとトラブルを起こすようなことは一度だってなかった。
「相手のお子さんは?」
「尻餅をついただけです。そちらのお母様には先ほどお電話しまして、彼にも言葉が過ぎる部分があったとお伝えしてあります」
「それで、絆はなんでそんなに怒ったんでしょう」
担任教師は少し言い淀む様子を見せた。
「……絆くんは何も話してくれなかったんですが……相手の子と周囲の子から話を聞きまして……ご家族のことで中傷があったようです」
具体的に言わない担任に雪奈は焦れた。
「どういう意味ですか?」
「その……絆くんのお母さまに霊感があるとか、オカルト的な言いがかりをつけたようで……」
さあっと自身の血の気が引くのがわかった。
雪奈の配信を知っているのはあのママ友グループのメンバー。その誰かが自分の子どもに面白おかしく話したのだ。もしくは、子どものみならず他の保護者たちにもそう言った噂を流しているのかもしれない。
(何も知らないくせに……! 私と絆を攻撃する材料にするなんて……!)
絆が体調不良なので迎えにきてほしいという連絡だった。時刻はもう放課後である。
帰宅してくる子どもたちの波に逆らって小学校へ向かった。教員室で声をかけると、担任の女性教師に応接室へ通された。
「喧嘩……ですか?」
「そうなんです。どのお子さんか明言するのは差し控えさせていただきたいんですが、嫌なことを言われて怒った絆くんが相手の子を押してしまいまして」
体調不良だと思って出かけたら、実際は喧嘩騒ぎで雪奈は仰天した。絆は今まで誰かとトラブルを起こすようなことは一度だってなかった。
「相手のお子さんは?」
「尻餅をついただけです。そちらのお母様には先ほどお電話しまして、彼にも言葉が過ぎる部分があったとお伝えしてあります」
「それで、絆はなんでそんなに怒ったんでしょう」
担任教師は少し言い淀む様子を見せた。
「……絆くんは何も話してくれなかったんですが……相手の子と周囲の子から話を聞きまして……ご家族のことで中傷があったようです」
具体的に言わない担任に雪奈は焦れた。
「どういう意味ですか?」
「その……絆くんのお母さまに霊感があるとか、オカルト的な言いがかりをつけたようで……」
さあっと自身の血の気が引くのがわかった。
雪奈の配信を知っているのはあのママ友グループのメンバー。その誰かが自分の子どもに面白おかしく話したのだ。もしくは、子どものみならず他の保護者たちにもそう言った噂を流しているのかもしれない。
(何も知らないくせに……! 私と絆を攻撃する材料にするなんて……!)